こすぎさん

豊かな心を育む「語り」の世界 @話芸写さん

2019.02.18

街を楽しむレポート
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話芸写看板

ホンモノを見せたい、聴かせたい。
子どもよりも自分が楽しむ方に目が行きがちな私ですが、音楽でも絵画でも、子供達には大人が楽しむのと同じように、できるだけ本物を一緒に見て感じて楽しんで欲しい、と思っている田中です。

今回ご紹介する話芸写さんを知ったのも、そんな思いがきっかけでした。

約50年も前から「語り」の養成校をとして活動している新丸子の話芸写さん。
ここで開催されている子ども向けの読み聞かせイベント、おはなしの部屋は、
“ナレーションや声優をしている、声のプロが読み聞かせてくれる”ということで、「ちょっと普通の読み聞かせと違うかも?」と軽い興味を持って息子と参加させていただいたのが最初なのですが・・・。

この「語り」の世界。実は私たち大人にとっても大切な要素が詰まっていて、受け流せない深い世界だったのです。
今回は、そんな話芸写さんでの楽しみ方をご紹介します!!

 

月2回の読み聞かせイベント「おはなしの部屋」

話芸写 おはなしの部屋

話芸写さんの本来の活動は、語りを通してのナレーションや表現の指導育成なのですが、子供達にも「語り」の世界を感じてもらいたいということで、毎月第1・3日曜日に「おはなしの部屋」という子ども向けの読み聞かせイベントを開催しています。

このイベントで読み聞かせしてくれるのは、話芸写さんで語りを学んでいる声優さんなど、いわゆる声のプロたち。
参加無料ということもあって、みなさんボランティアでこのイベントを開催してくださっています。

話芸写 おはなしの部屋

読み聞かせの前に、まずアイドリングとして季節の歌や手遊びで子供達の心を掴んでくれます。
この日は節分ということで豆まきの歌を合唱〜♪
みなさんびっくりするくらい子供達への接し方が上手!

話芸写 おはなしの部屋

ほぐれたところでいよいよ読み聞かせが始まります。
この紙芝居セット懐かしい〜、と油断して見ていると・・・「おにはそと〜!ふくはうち〜」とめちゃくちゃいい声が!!
ただの読み聞かせだと思って聴いていると、その声量と表現力に大人も圧倒されます。

おはなしの部屋

もちろん、子供達も釘付け。さっきまでふざけてた息子たちも真剣そのもの。

この日は2つのお話を読み聞かせてくださったのですが、同じお姉さんが2つのお話で全く違う声を披露することに子どもはもちろん、私たち大人もびっくり!
そして次第にお話の世界に引き込まれて行きます。

おはなしの部屋

「おはなしの部屋」は、30分という幼児にはちょうど良い時間設定なのですが、その後立ち上がってみんなでダンスと歌をしたり、ネズミとネコの人形劇があったりと盛りだくさんな内容。

しかも、帰りにはガチャマシーンでお土産もGETできちゃうという至れり尽くせりぶり。

おはなしの部屋

年齢的には3〜4歳くらいの幼児が一番楽しめるかなと思います。

開催日は当サイトの街の情報でも毎月お知らせしていますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

 

聞くだけじゃない、「表現力」を養う語りの世界

話芸写スタジオ

「おはなしの部屋」では、子供達が純粋に、声で表現されるお話を楽しめるのですが、実はこの「言葉の表現力」を養うことは、どんな人にとっても大切なことなんだ、と代表の伊藤さん、上月(こうづき)さんにお話を伺いました。

話芸写さんは、もともと声優やナレーションをする方達が集まり、「語り」を通して表現の勉強する場でした。話芸写を創設し、現在も主宰としてレッスンを担当する声優の北川智繪さんは、ドラえもんや忍たま乱太郎などの有名作品に出演する声優界の大ベテランです。

話芸写さんで指導する「語り」とは、声で表現をする、いわば「声の演劇」
語りにも様々な理念や考え方があるそうなのですが、ここでは聴く人のことを一番に考え、どんな人でもそのお話の内容に入り込める、楽しめる、心のある表現を大事にしているそうです。

心のある表現をする。
これは声の仕事をする人だけではなく、私たちが普通に暮らしていく中でもとても大事な考え方だと思います。

話芸写 DVD話芸写さんで販売しているアテレコ用のオリジナルDVD

 

表現するためには、お話の内容を理解して、登場人物の気持ちを汲み取らなければなりません。
そして、聴く人に楽しんでもらうためには、「どうしたら楽しんでもらえるだろう」と聴く人の気持ちを考えます。

そのため、語りの訓練をしていると、自然に相手の立場に立って物事を考える人になれる、と上月さんはおっしゃいます。
近頃ニュースやSNSでも、相手の気持ちを軽視した発言が目立ちますよね。
言葉に出す前に、一瞬でも言われた相手の気持ちを考えられたら、傷つく人や傷つける人も減るのに・・・。

話芸写さんでは、子供達にはもちろん、私たちのような親世代にもこのことを知って欲しいという思いから、近隣の小学校で音読の授業をしたり、お母さんたちのグループに読み聞かせの指導をされたりといった活動も行っています。

また、音読や語りによって、読解力が身につく人前でのスピーチに自信がつく、ということもあり、一般のサラリーマンや引退された方もたくさんレッスンに参加されているそうです。
見学や体験も大歓迎ということなので、語りの世界をのぞいてみたい方はぜひ問い合わせてみてくださいね。

上月麻未 伊藤達彦代表の上月麻未さん、伊藤達彦さん。お二人もナレーターとして活躍されています。

 

話芸写の方はどの方も言葉の表現や振る舞いが素敵で、とっても魅力的です。
表現力を磨くってこうゆうことなのかな、と納得させられました。

語りで心まで豊かに。
ご近所にこんな素敵な場所があるのだとなんだか誇らしく思いました。
新丸子のアトリエでも公演が時々あるそうなので、当サイトでもお知らせしていきたいと思います!
レッスンがない日はレンタルスペースとしても活用できるそうです。みなさんも、ぜひぜひ足を運んでみてください♪

写真/文 こすぎさん運営局 田中

話芸写(わげいしゃ)
住所
〒211-0005 神奈川県川崎市中原区 新丸子町749-6 GSハイム103
(地図をみる)
定休日
営業時間
レッスン日による(詳しくはお問い合わせください。)
電話番号
044-711-8032
メール
katari@wageisha.jp
HP
http://www.wageisha.jp/top.html

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