川崎の春野菜、のらぼう農家さんを訪ねて。
2019.03.13

川崎の伝統野菜「のらぼう菜」を知っていますか?
こんにちは。生まれも育ちも川崎、生粋の川崎っ子の運営局田中です。
好きです かわさき 愛の街、を掲げる私ですが、恥ずかしながら川崎で採れる野菜のことをつい最近まで知りませんでした。
工業や都会のイメージが強い川崎ですが、実は北部を中心に農家さんもたくさんいらっしゃいます。川崎の特産物としてブランド登録されている野菜も数々あるのですが、その中でも特徴的なのが「菅ののらぼう菜」。
今回は、川崎野菜の「のらぼう菜」、そしてのらぼう菜の第一人者である農家の髙橋孝次さんを取材してきました!
のらぼう菜ってどんな野菜?
のらぼう菜はアブラナ科の植物で、2月下旬〜4月下旬にかけて収穫される春の野菜です。
そして「アブラナ科」の名前の通り、タネから油を取ることができます。
その昔、まだ電気のなかった時代には、灯りをともすための油が採れるということで重宝されました。その頃はまだ、茎や葉っぱを食べるという習慣はなかったそうです。
しかし生命力の強いのらぼう菜。飢饉の際に人々を飢えから救ったそうで、その頃から茎や葉を食べるようになったかもしれません。
今回お話を伺った農家の髙橋孝次さんのご自宅には、髙橋さんのご先祖が代々使ってきた農具などが展示されている菅郷土資料館が併設されています。
そこには実際に昔使われていた油絞りの器具や、油絞りの方法が書かれていました。(この大きな掲示資料は髙橋さんの手作り!!)
髙橋さんは、近所の小学校などに出向いて実際にこの油絞りを実演されることもあるそうです。ご近所の小学校が羨ましい・・・。
そして気になるお味ですが、同じアブラナ科の菜花に比べて苦味が少なく、茎に甘みがあり柔らかいので子供でも食べやすいお野菜です。
のらぼう菜を使ったレシピは次の記事でもご紹介しますので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。
菅ののらぼう菜といえばこの方! 髙橋孝次さん
川崎では、麻生区などを中心にのらぼう菜を育てている農家さんが多くいらっしゃるそうなのですが、のらぼう菜を語る上で外せないのが、菅ののらぼう菜を守り続ける 髙橋孝次さん。
髙橋さんの家系は、代々農業を営まれてきました。
もとは梨や稲など、様々な作物を育てていた髙橋さん。のらぼう菜は秋から冬にかけて育つことから、稲の裏作として栽培されていたそうです。
菅の畑には約2000株ののらぼう菜が敷地ぎっしり力強く育っています。
タネから栽培するという髙橋さんの栽培方法は、長い期間をかけて美味しく育つように工夫をこらしているため、とても甘く美味しいそうです。
その功績が国に認められ、髙橋さんは「地域特産物マイスター」にも認定されています。
たくさんの人が髙橋印ののらぼう菜を求めてやってきます。
この時期ご自宅(多摩区菅)前に設置している直売所には朝から行列ができるほど。今回の取材中も、ご近所の方が畑に直接のらぼう菜を買いに訪ねていらっしゃいました。
髙橋さんののらぼう菜が買えるのは、基本的には菅の直売所だけ。
武蔵小杉からは少し距離があるのでなかなか入手するのは大変なのですが、2019/3/16(土)に新丸子CommonLifeさんで開催される「新丸子の路地裏マルシェ」で販売されるそうですので、小杉のみなさまは要チェックです!(数に限りがありますのでお求めはお早めに!)
髙橋さん以外の生産者さんののらぼう菜であれば、大野屋さんなどでも入手することができるそうです。
1日100株を一人で収穫するというとってもパワフルな髙橋さんですが、なんと恩年87歳。
農業の他に、近所の小学校へ苗を配って栽培の指導をしたり(その数なんと1700株もあるそう!!)、子供達に植物を通して命の大切さや生き方をお話する講義もされているそうです。
子供達にも大人気の髙橋さん。
「学校は体力と思考力を育てるところ。愛情を持って接すれば、自分で伸びる!」
のらぼうと真摯に向き合って生きてきた髙橋さんの言葉に、心打たれるものがありました。
歴史ある菅ののらぼう菜をどうか守り続けて欲しいと思います。
地元で愛情込めて育てられた安心で安全な農産物。
皆さんも機会があったらぜひ手にとってみてください。
取材にご協力くださった髙橋さん、かわさき”のらぼう”プロジェクトの清水さん、ありがとうございました。
写真/文 こすぎさん運営局 田中
かわさき"のらぼう"プロジェクト
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